こんにちは。おうち購入研究所 埼玉担当FPの寺腰です。
最近、このようなご相談をいただきました。
「もうすぐ出産なんですが、家づくりのことが気になっています。産後はしばらく動けないと思うので、今のうちに何かできることはありますか?」
この質問は、とても大切な視点だと思います。
出産後は、育児に追われて家づくりどころではない時期が続きます。
赤ちゃんのお世話、夜泣き、授乳、寝不足、上のお子さまがいる場合はその対応もあります。落ち着いて物件を調べたり、住宅会社へ相談に行ったり、銀行に足を運んだりするのは、早くても産後半年から1年後になるご家庭が多いです。
ただ、その間に「出産前にやっておけばよかった」と後悔されることが実はいくつかあります。
今日は、出産前の今だからこそできる家づくりの準備について整理してお伝えします。
無理に家を買いましょうという話ではありません。
出産前にできることは、「購入を急ぐこと」ではなく、「産後に動き出しやすい状態を作っておくこと」です。
出産前は、家づくりの準備に向いている時期
妊娠中に家づくりを考えると、
「今は体調もあるし、出産後に落ち着いてから考えればいいかな」
と思われる方も多いと思います。
もちろん、体調を最優先にすることは大前提です。
ただ、家づくりの準備という意味では、出産前はとても大切なタイミングです。
なぜなら、産後は想像以上に時間と体力の余裕がなくなるからです。
出産前であれば、夫婦で落ち着いて話し合う時間を取りやすく、物件情報を見たり、ライフプランを確認したり、住宅ローンについて調べたりすることもできます。
一方で、産後は毎日の生活リズムが赤ちゃん中心になります。
夜にゆっくり夫婦で話そうと思っても、寝かしつけや授乳で予定通りに進まないことも多くなります。
だからこそ、出産前のうちに家づくりの方向性だけでも整理しておくことが大切です。
① 希望エリアの相場感を自分でつかんでおく
出産前の今、体が動くうちにやっておきたい一番のことは、希望エリアの相場感を自分の目で確認しておくことです。
SUUMOやアットホームなどの不動産ポータルサイトで、気になるエリアの物件を毎日眺める習慣をつけてみてください。
買うかどうかは関係ありません。
「このエリアの建売住宅はだいたいこのくらい」
「土地だけだとこの価格帯が多い」
「駅に近いと一気に高くなる」
「同じ市内でもエリアによってかなり差がある」
このような感覚を持っておくだけで、産後に動き出したときの判断スピードが大きく変わります。
良い物件は早い者勝ちです。
相場感がない状態で良い物件に出会っても、「これは本当に良い物件なのか」「価格は妥当なのか」が判断できません。
その結果、迷っている間に申し込みが入ってしまうことがあります。
家探しで後悔される方に多いのが、良い物件に出会っていたのに判断できなかったというケースです。
産後は物件をゆっくり調べる時間が少なくなります。
今のうちに希望エリアの相場感だけでも持っておく。
これだけで、動き出したときの初速が大きく変わります。
② 希望条件を夫婦で言語化しておく
「駅から何分以内がいいのか」
「どのエリアに住みたいのか」
「注文住宅がいいのか、建売住宅がいいのか」
このような希望条件を、夫婦でしっかり話し合って言語化しておくことも大切です。
産後は、夫婦でゆっくり話し合う時間が取りにくくなります。
「あなたはどう思う?」
「私はこっちがいいと思う」
このような会話を落ち着いてできるのは、出産前の今が最後かもしれません。
特に決めておきたいのは、次の3つです。
通勤ルートと許容時間
どの駅から、どの路線を使うのか。
乗り換えは許容できるのか。
職場まで何分以内なら現実的なのか。
これによって、候補エリアは大きく変わります。
特に共働きの場合は、夫婦それぞれの通勤時間をどう考えるかが重要です。
駅距離の優先度
駅から近いことを最優先にするのか。
駅から少し離れても、土地の広さや建物の希望を優先するのか。
この判断は、予算に直結します。
さいたま市内やその周辺エリアでは、駅距離によって土地価格や建売住宅の価格が大きく変わります。
駅近を優先するのか、広さを優先するのか。
ここを夫婦で話し合っておくことはとても大切です。
注文住宅か建売住宅か
家に対するこだわりが強い場合は、注文住宅を検討したい方も多いと思います。
一方で、立地や予算を優先する場合は、建売住宅の方が現実的なケースもあります。
どちらが正解という話ではありません。
大切なのは、自分たちにとって何を優先するかです。
注文住宅なのか、建売住宅なのか。
方向性だけでも決めておくと、産後に動き出したときに迷いが少なくなります。
③ 保育園・学区・子育て環境も見ておく
出産前の家づくりでは、物件価格や通勤時間だけでなく、子育て環境も確認しておくことが大切です。
特に見ておきたいのが、保育園、幼稚園、小学校区、周辺環境です。
産後に職場復帰を予定している場合、保育園に入りやすいエリアかどうかは生活に大きく関わります。
また、上のお子さまがいる場合や、今後長く住むことを考える場合は、小学校区も無視できません。
家は一度購入すると、簡単には住み替えできません。
今だけではなく、5年後、10年後の生活も考えてエリアを選ぶ必要があります。
例えば、
- 保育園や幼稚園が近くにあるか
- 小学校までの距離は無理がないか
- 通学路に危険な道路はないか
- 買い物や病院に行きやすいか
- 公園や子どもが遊べる場所があるか
このような点も確認しておくと、後から「もっと見ておけばよかった」となりにくくなります。
家づくりは建物だけの話ではありません。
これから子育てをしていく環境を選ぶことでもあります。
④ 情報を受け取れる環境を整えておく
産後は自分で物件を探す時間がほとんど取れません。
だからこそ、「自分で探す」ではなく、「届いた情報を判断するだけ」の状態を先に作っておくことが重要です。
まずはSUUMOやアットホームなどのポータルサイトで、希望エリア、価格帯、間取りなどの条件を登録して、メール通知をオンにしておきましょう。
毎日、自動で新着物件の情報が届くようになります。
ただし、ここで注意点があります。
ポータルサイトに載っている物件は、すでに多くの人の目に触れている情報です。
良い物件ほど、問い合わせた時点で「すでに申し込みが入っています」と言われることも少なくありません。
より早く、より精度の高い情報を受け取るには、信頼できる人に希望条件を伝えて、絞り込んだ情報を投げてもらえる環境を作っておくことが理想です。
産後に「この物件どう思いますか?」と聞ける相手がいるかどうかで、判断のスピードと精度は大きく変わります。
家探しは、情報を集めることも大切ですが、それ以上に情報を判断することが大切です。
今のうちに、相談できる相手を見つけておくことも準備の一つです。
⑤ ライフプランを手元に整理しておく
ライフプランを作った方は、その内容をすぐ取り出せる状態に整理しておいてください。
産後に物件を見に行った時、住宅会社の担当者から、
「この物件はいかがですか?」
「このくらいの住宅ローンなら大丈夫ですよ」
という話が出てくることがあります。
その時に大切なのは、自分たちの予算上限はいくらで、なぜその金額なのかを説明できることです。
ライフプランという根拠があると、営業トークに流されず、自分たちの軸で判断できます。
「私たちの予算上限は○○万円です」
「この金額を超えると、教育費や老後資金に不安が出ます」
このように言える状態を作っておくことが大切です。
子どもが生まれると、家計は大きく変わります。
教育費、保育料、育休中の収入減、復職後の働き方など、考えるべきことが増えます。
住宅ローンは、今払えるかどうかだけで判断してはいけません。
これから子どもが成長していく中で、無理なく返済を続けられるかどうかが大切です。
そのためにも、家づくりを始める前にライフプランを整理しておくことをおすすめします。
⑥ 住宅ローンの事前審査も検討しておく
出産前に検討しておきたいことの一つが、住宅ローンの事前審査です。
住宅ローンの事前審査は、物件が決まってからでないと出せないと思われている方も多いですが、金融機関によっては物件が決まる前でも審査を進められる場合があります。
特に共働き世帯の場合、産休や育休に入る前の収入状況で審査を出せるかどうかは重要なポイントです。
育休に入ると、金融機関によっては収入の見方が変わることがあります。
もちろん、すべての金融機関で同じ扱いになるわけではありません。
育休中の収入をどう見るのか、復職予定をどう確認するのか、ペアローンや収入合算が使えるのかは、金融機関によって判断が異なります。
だからこそ、出産前のうちに一度確認しておくことが大切です。
事前審査をしておくことで、自分たちがどのくらい借りられる可能性があるのか、どの金融機関が合いそうなのかを把握できます。
ただし、借りられる金額と返せる金額は違います。
事前審査で高い金額が通ったからといって、その金額まで家を買っていいわけではありません。
必ずライフプランとセットで考えるようにしてください。
でも。。。
事前審査はできれば売り手に出すのは控えたいです。
借りれる額を売り手に見せると
その額でのおうち購入になってしまう傾向にあります。。
お気をつけくださいませ。
⑦ 産後に家探しを始めると起こりやすいこと
産後に家探しを始めることが悪いわけではありません。
ただ、実際の相談では、産後に動き始めて大変だったという声も多くあります。
例えば、内見の日程を組むだけでも大変です。
赤ちゃんの授乳時間、昼寝の時間、体調、天気、夫婦の予定を合わせる必要があります。
せっかく内見の予定を入れても、当日に赤ちゃんの体調が悪くなって行けなくなることもあります。
また、寝不足の状態で大きな判断をすることも負担になります。
家の購入は、数千万円単位の大きな決断です。
冷静に考えたい場面でも、時間がない、体力がない、早く決めないと売れてしまうという状況になると、焦って判断してしまうことがあります。
だからこそ、産後にすべてをゼロから始めるのではなく、出産前にある程度準備しておくことが大切です。
準備ができていれば、産後は「探す」よりも「判断する」ことに集中できます。
出産後、本格的に動き出せるのはいつ頃?
参考までに、家づくりを再開できるタイミングの目安をお伝えします。
産後すぐから3ヶ月頃までは、育児に集中する時期です。
物件探しどころではないというご家庭がほとんどです。
4ヶ月から6ヶ月頃になると、少しずつ生活リズムが見えてきて、ポータルサイトを見始める方が増えてきます。
本格的に住宅会社へ行ったり、内見をしたりできるのは、産後半年から1年後くらいが一般的です。
ただし、保育園の入園時期や上のお子さまの入学タイミングが絡む場合は、逆算してスケジュールを立てる必要があります。
「いつまでに引っ越したいか」から逆算すると、いつから動き出すべきかが見えてきます。
例えば、保育園入園や小学校入学までに引っ越したい場合、物件探し、住宅ローン審査、契約、引き渡し、引っ越しまでの期間を考える必要があります。
注文住宅の場合は、土地探しから建物完成まで1年以上かかることも珍しくありません。
建売住宅や中古住宅でも、物件探しから引っ越しまで数ヶ月はかかります。
「まだ先でいい」と思っていても、実際には早めに準備しておいた方が安心なケースは多いです。
FPとして、一番伝えたいこと
出産前にできる準備の中で、最も大切なのは「情報収集」ではなく、「夫婦の軸を揃えること」だと思っています。
エリア、予算、注文住宅か建売住宅か。
この3つについて夫婦の方向性が揃っていると、産後に動き出した時に判断が速くなります。
逆に、ここがバラバラのまま動き出すと、物件を見るたびに夫婦で意見が割れて、なかなか前に進めません。
家づくりは、物件を探す前の準備で大きく変わります。
特に出産前後は、家計も生活も大きく変化する時期です。
だからこそ、勢いで進めるのではなく、家族にとって無理のない予算とタイミングを整理しておくことが大切です。
体が動く今のうちに、夫婦で話し合う。
希望エリアの相場を見ておく。
ライフプランを確認しておく。
住宅ローンの方向性を確認しておく。
これだけでも、産後の家づくりはぐっとスムーズになります。
まとめ
- 出産前は、家を買う時期ではなく、家づくりの準備を始める時期
- ポータルサイトで希望エリアの相場感を今のうちに把握しておく
- 通勤ルート、駅距離の優先度、注文住宅か建売住宅かを夫婦で言語化しておく
- 保育園、学区、子育て環境も含めてエリアを考える
- 住宅ローンの事前審査は、物件が決まる前でも検討できる場合がある
- 共働き世帯は、産休・育休に入る前の収入状況も確認しておく
- 情報を受け取れる環境を整えておく
- ライフプランをすぐ取り出せる状態に整理しておく
- 産後に動き出すタイミングから逆算して、いつ何をするか大まかにイメージしておく
「出産前に何から始めればいいかわからない」
「産後に家づくりを考えたいけれど、今のうちにできることを知りたい」
「住宅ローンや予算が不安」
このような方は、まずは一度ご相談ください。
無理に購入を急ぐ必要はありません。
今の状況に合わせて、出産前にやるべきこと、産後に動き出すタイミング、家計に無理のない住宅購入予算を一緒に整理させていただきます。
おうち購入研究所 埼玉担当FP 寺腰

