こんにちは。
おうち購入研究所の松井です。
以前、ライフプランを担当させていただいたお客様から、次のようなご相談をいただくことがあります。
「ライフプランを作成した直後は、住宅購入の予算が明確になり、あとは土地を探して、ハウスメーカーや工務店の話を聞きながら、その予算内で家づくりを進めていけばよいと思っていました。
しかし、実際に土地探しや住宅会社選びを進めていくと、思っていた以上にさまざまな壁にぶつかり、これからどう動けばよいのか分からなくなってしまいました。改めて相談してもよいでしょうか?」
ライフプランを作成した時点では、住宅購入の予算が分かり、家づくりを進められる状態になります。
ただ、実際に土地を探したり、住宅会社から見積もりを取ったりすると、最初に考えていた予算との間に差が出ることがあります。
今回は、ライフプラン作成後に家づくりを進める中で、予算と理想の間にギャップが生まれたご相談の一例をご紹介します。
住宅購入の第一歩は「家とお金の勉強会」への参加でした
今回ご相談いただいたお客様が、住宅購入に向けて最初に行動されたきっかけは、工務店が主催する「家とお金の勉強会」への参加でした。
マイホームが欲しいとは思っていたものの、何から始めればよいのか分からず、まだ土地探しや住宅会社への相談もされていない状態でした。
勉強会へ参加したことで、住宅購入では最初に土地や住宅会社を探すのではなく、まず自分たちが無理なく購入できる予算を確認することが大切だと知ったそうです。
そこで、住宅ローンの返済だけではなく、子どもの教育費や車の買い替え、住宅の修繕費、老後資金なども含めたライフプランを作成することになりました。
ライフプランで住宅購入の予算が明確になりました
ライフプランでは、現在の収入や生活費、今後の働き方、子どもの進路、車の買い替え予定、老後の生活などについて詳しくお話を伺います。
そのうえで、住宅を購入した後も無理なく生活を続けられる住宅予算を確認します。
今回のお客様の場合、ライフプランから算出された住宅購入予算は、ご自身たちが考えていた金額に近く、納得のいく結果となりました。
それまで住宅会社へ相談した経験もなく、家づくりについて右も左も分からない状態でしたが、住宅にかけてもよい予算が明確になったことで、少し安心して家づくりを始められるようになったそうです。
「この金額までなら無理なく返済できる」
という基準ができたため、その予算内で理想の家を建てられる住宅会社や工務店を探し始めました。
実際に家づくりを進めると、予算内では難しいことに気づきました
しかし、実際にハウスメーカーや工務店へ足を運び、希望する家について相談していくと、ライフプランで決めた住宅予算内に収めることが難しいと分かってきました。
土地のエリアや広さ、建物の大きさ、間取り、住宅性能、設備のグレード、外構など、家づくりには多くの項目があります。
最初は、
「できるだけ予算内で建てたい」
と考えていても、住宅展示場やモデルハウスを見学したり、住宅会社の担当者からさまざまな提案を受けたりすると、少しずつ希望が増えていくことがあります。
例えば、
- できれば希望する学区内で土地を探したい
- 駅や職場へのアクセスも大切にしたい
- 子ども部屋はそれぞれ用意したい
- 家事動線にもこだわりたい
- 断熱性能や耐震性能も重視したい
- 収納スペースを広く取りたい
- キッチンやお風呂の設備も妥協したくない
- 駐車場や外構もきれいに仕上げたい
というように、理想の暮らしを考えるほど必要な費用は増えていきます。
土地の価格と建物の価格だけであれば予算内に見えても、付帯工事や諸費用、外構費用、家具や家電、引っ越し費用まで含めると、当初の予算を超えてしまうこともあります。
ライフプラン作成時に受けたアドバイスを思い出しました
住宅会社を回り、希望する家の見積もりを確認する中で、お客様はライフプランを作成したときに受けたアドバイスを思い出されました。
そのとき担当者からは、次のようにお伝えしていました。
「現在考えている予算は、家計上は無理のない金額です。ただ、ご希望されているエリアや家の広さ、住宅の仕様を考えると、この予算では少し厳しくなる可能性があります」
ライフプランで分かるのは、あくまでご家庭が無理なく購入できる住宅予算です。
その予算で、実際に希望するエリアや条件の家が購入できるかどうかは、土地価格や建築費によって変わります。
特に近年は、土地価格や建築費、住宅設備費、人件費などが上昇しているため、以前のイメージよりも家づくりに必要な費用が高くなっているケースも少なくありません。
当時は「少し工夫すれば予算内に収まる」と考えていました
ライフプランを作成した当時、お客様は、
「土地を探すエリアを少し郊外にすれば予算を抑えられるだろう」
「家の仕様を少し調整すれば、予算内に収まるだろう」
「住宅会社をいくつか比較すれば、希望に近い家を建てられるところが見つかるだろう」
と考えていました。
もちろん、土地のエリアや建物の仕様を見直すことで、予算を調整できる場合はあります。
しかし、実際に土地を見たり、住宅会社から提案を受けたりすると、簡単には妥協できない条件も見えてきます。
例えば、価格を抑えるために希望エリアから離れた土地を選んだとしても、通勤時間や子どもの通学、日々の買い物に不便が出ることがあります。
また、建物の価格を抑えるために広さや住宅性能を大きく下げてしまうと、せっかく家を建てても、暮らし始めてから後悔する可能性があります。
家づくりでは、単純に価格が安ければよいというわけではありません。
予算だけではなく、今後の生活や家族の希望も含めて、どこを優先し、どこを調整するかを考える必要があります。
理想と予算の間にギャップが生まれ、動けなくなりました
複数のハウスメーカーや工務店へ相談した結果、お客様は、当初想定していた住宅予算では希望する家づくりが難しいという現実にぶつかりました。
住宅会社からは、予算を増やす提案を受けることもあります。
「このくらいであれば住宅ローンの審査は通ると思います」
「月々の返済額は少ししか変わりません」
「せっかく家を建てるのであれば、後悔しないように希望を叶えた方がよいですよ」
といった説明を受けると、予算を増やしてもよいのではないかと考えることもあると思います。
一方で、ライフプランで確認した予算を超えてしまうことに不安もあります。
その結果、
- 住宅予算を増やしても大丈夫なのか
- 希望条件をどこまで減らすべきなのか
- 購入するエリアを変えた方がよいのか
- 住宅会社をさらに探した方がよいのか
- 家づくり自体を一度止めた方がよいのか
と悩み、これからどう動けばよいのか分からなくなってしまいました。
このような状況になったときに、
「もう一度、ライフプランを作成してもらった担当者に相談してもよいでしょうか?」
とご連絡をいただくことがあります。
ライフプラン作成後に迷ったら、再度相談してください
家づくりを進める中で、最初に決めた住宅予算と実際の見積もりに差が出ることは珍しいことではありません。
住宅購入前には分からなかった希望が出てきたり、想定以上に土地や建物の費用が高かったりすることもあります。
そのため、ライフプランを作成した後に状況が変わった場合は、もう一度相談していただくことをおすすめします。
ライフプランは、一度作成したら絶対に変更してはいけないものではありません。
家づくりの進み具合や見積もり、家族の希望に合わせて、内容を見直しながら使っていくものです。
例えば、当初の予算よりも500万円高い住宅を検討している場合、その500万円を住宅ローンに上乗せしたときに、将来の家計へどのような影響が出るのかを再度確認できます。
住宅予算を増やすことで、
- 子どもの教育費に影響が出ないか
- 車の買い替え時期に家計が苦しくならないか
- 老後資金の準備が不足しないか
- 住宅ローンの金利が上昇しても返済できるか
- 毎月の貯蓄を続けられるか
といった点を確認します。
その結果、予算を増やしても問題がない場合もあれば、希望条件を少し調整した方がよい場合もあります。
大切なのは、何となく不安を抱えたまま予算を増やすのではなく、家計への影響を確認したうえで判断することです。
予算との差を埋める方法は一つではありません
希望する家の見積もりがライフプランで確認した住宅予算を超えていた場合、すぐに家づくりを諦めなければならないわけではありません。
予算との差を埋める方法はいくつかあります。
住宅の希望条件に優先順位を付ける
まずは、ご夫婦で住宅に求める条件を整理します。
すべての希望を同じ優先度で考えるのではなく、
- 絶対に必要なもの
- できれば叶えたいもの
- 予算次第で調整できるもの
に分けることで、費用を抑えられる部分が見つかることがあります。
土地と建物の予算配分を見直す
希望エリアの土地価格が高い場合、建物へ使える予算が少なくなります。
反対に、少しエリアを広げることで土地費用を抑え、建物へ予算を回せる場合もあります。
土地と建物を別々に考えるのではなく、住宅購入全体の予算でバランスを考えることが大切です。
住宅会社や建築方法を見直す
同じような広さや仕様でも、住宅会社によって価格は異なります。
ただし、金額だけで判断するのではなく、住宅性能や保証、メンテナンス費用、標準仕様なども含めて比較する必要があります。
購入時期を見直す
今すぐ購入するのではなく、もう少し自己資金を準備してから進めるという方法もあります。
ただし、購入時期を遅らせる間に土地価格や建築費、住宅ローン金利が変わる可能性もあるため、メリットとデメリットを確認する必要があります。
住宅予算を増やせるか再計算する
収入や支出、貯蓄状況がライフプラン作成時から変わっている場合、再計算することで住宅予算を見直せることがあります。
ただし、銀行から借りられる金額が増えたからといって、無理なく返済できるとは限りません。
住宅購入後の生活を守れるかどうかを確認したうえで判断することが大切です。
ご相談いただいたお客様のデータは残しています
おうち購入研究所でライフプランを作成された方については、作成時のデータを保存しています。
そのため、家づくりを進める中で予算や条件が変わった場合でも、最初からすべてを作り直す必要はありません。
当時のライフプランと現在の状況を比較しながら、
- 住宅価格がどのくらい変わったのか
- 収入や生活費に変化があったのか
- 教育費や車の予定に変更があるのか
- 住宅ローンの金利や返済額がどう変わるのか
- 将来の貯蓄残高にどのような影響が出るのか
を確認できます。
予算と希望する住宅価格に差がある場合には、その差をどのように埋めるかについても一緒に整理します。
住宅会社から受け取った見積書や資金計画書があれば、それを確認しながら、見落としている費用がないかを確認することもできます。
「また相談してもよいのかな」と遠慮する必要はありません
以前ライフプランを作成された方の中には、
「一度相談しているので、もう一度連絡するのは申し訳ない」
「まだ住宅会社も決まっていない段階で相談してよいのだろうか」
「予算を守れなくなっているので、相談しづらい」
と遠慮される方もいらっしゃいます。
しかし、家づくりはライフプランを作成した時にイメージしていた通りに進むとは限りません。
実際に土地を探し、住宅会社の話を聞き、見積もりを確認することで、初めて分かることもたくさんあります。
イメージしていた事と現実に違いが出たからこそ、もう一度計画を確認することが大切です。
住宅会社との契約後では、予算や仕様を大きく変更することが難しくなる場合があります。
そのため、できれば土地や住宅会社との契約をする前にご相談ください。
今検討している住宅価格で本当に問題がないのか、希望条件をどこまで調整するべきなのかを一緒に考えさせていただきます。
ライフプランは家づくりの途中で見直すことが大切です
ライフプランを作成する目的は、最初に住宅予算を出すことだけではありません。
家づくりを進める中で、予算や希望条件、家族の状況が変わったときに、その都度立ち戻るための基準として活用するものです。
最初に決めた住宅予算を守ることだけが正解ではありません。
実際に家づくりを進めた結果、もう少し予算を増やした方がご家族にとってよい場合もあります。
一方で、予算を増やすことで教育費や老後資金に大きな影響が出るのであれば、住宅の条件を見直した方がよい場合もあります。
大切なのは、住宅会社の提案や勢いだけで判断するのではなく、ご家族の将来を確認しながら納得して選ぶことです。
ライフプランを作成した後に家づくりで迷った方は、一人で悩まず、作成を担当した方へ相談してみてください。
状況に合わせて計画を見直すことで、次に何をすればよいのかが見えやすくなります。
まとめ:家づくりで迷ったら、一度立ち止まって計画を見直しましょう
住宅購入前にライフプランを作成し、無理のない住宅予算を確認することはとても大切です。
しかし、実際に土地探しや住宅会社選びを進めると、最初に決めた予算では希望する家を建てることが難しいと分かる場合があります。
そのようなときに、無理に予算を増やしたり、すべての希望を諦めたりする必要はありません。
まずは、なぜ予算を超えているのかを整理し、住宅予算を増やしても問題がないのか、希望条件のどこを調整できるのかを確認することが大切です。
ライフプランは、一度作成して終わりではありません。
土地や住宅会社の見積もり、住宅ローンの条件、ご家族の状況に合わせて見直しながら活用するものです。
おうち購入研究所でライフプランを作成された方は、当時のデータを基に、現在の状況を反映した見直し相談も行っています。
「予算内では希望する家が建てられそうにない」
「住宅会社から予算を増やすように提案されている」
「どこを妥協すればよいのか分からない」
「このまま家づくりを進めてよいのか不安」
という方は、どうぞ遠慮なくご相談ください。
住宅購入後も安心して暮らしていただけるように、ご家族に合った進め方を一緒に考えさせていただきます。
執筆者プロフィール
おうち購入研究所 松井 俊裕
住宅購入を検討されているご家族に向けて、ライフプラン作成や住宅購入のサポートを行っています。
住宅ローンの返済額だけではなく、お子様の教育費、車の買い替え費用、住宅のメンテナンス費用、老後の生活費など、将来必要となる支出も含めて、無理のない住宅購入予算をご提案しています。
住宅を購入することをゴールにするのではなく、住宅購入後もご家族が安心して暮らしていけることを大切にしながら、一組一組のご家庭に寄り添ったサポートを行っています。

